「発表、終わりました」
ミラが図書館に戻ってきた。日和と空が顔を上げた。
「お疲れ様」日和が微笑んだ。「どうでしたか?」
ミラが静かに座った。「思ったより、できた」
空が観察した。「表情が明るいですね」
「明るい?」ミラが自分の顔を触った。
「そう。昨日より、ずっと」
ミラが小さく微笑んだ。「不思議です。発表前は、すごく不安だったのに」
日和が聞いた。「何が変わったと思いますか?」
「やり遂げたこと、かな」ミラが考えた。
空が説明した。「それが自己効力感です。自分はできる、という感覚」
「自己効力感」ミラが繰り返した。
日和が補足した。「小さな成功体験が、自信を育てます」
「でも」ミラが言った。「完璧じゃなかった。途中で言葉に詰まったし」
「完璧である必要はありません」空が言った。「重要なのは、やり遂げたという事実」
ミラがノートを開いた。「でも、以前は自信があったのに、いつの間にか失っていた」
「何かきっかけが?」日和が優しく聞いた。
「大きな失敗をして、それから怖くなった」
空が静かに言った。「自信は、一度の失敗で崩れることがあります。でも、少しずつ戻せます」
「どうやって?」ミラが聞いた。
日和が答えた。「小さな成功を積み重ねること。今日の発表のように」
空が加えた。「自信は、突然戻るものではありません。段階的に回復します」
ミラが考えた。「段階的...」
「はい」日和が説明した。「最初は小さな挑戦から。成功したら、少し大きな挑戦へ」
空が例を出した。「今日の発表は、ミラさんにとって大きな一歩でした」
ミラが頷いた。「確かに、勇気が必要だった」
「その勇気を出せたこと自体が、成功」日和が言った。
ミラが驚いた。「結果じゃなくて?」
「結果も大事ですが、プロセスも大事」空が説明した。「不安があっても行動したこと」
日和が微笑んだ。「それが、自信を取り戻す第一歩です」
ミラがノートに書いた。「小さな成功の積み重ね」
空が続けた。「自信は、外部からの評価だけで生まれるものではありません」
「じゃあ、何から?」
「自分で自分を認めること」
日和が補足した。「他人がどう思うかより、自分が自分をどう評価するか」
ミラが考え込んだ。「でも、自分に厳しくなってしまう」
「それが、自信を失う原因の一つ」空が指摘した。
日和が優しく言った。「自分に優しくすることも、勇気です」
ミラが静かに笑った。「優しくする勇気」
空が例を出した。「失敗しても、『よくやった』と自分に言えますか?」
ミラが首を横に振った。「難しい」
「最初は難しいです」日和が認めた。「でも、練習できます」
「練習?」
空が説明した。「自己対話を変える練習。批判ではなく、励ましの言葉を使う」
ミラがノートに書いた。「『ダメだ』ではなく『次は改善できる』」
「良い例」日和が認めた。
空が加えた。「自信は、完璧さから来るのではなく、自己受容から来ます」
ミラが深く息をした。「自分を受け入れる」
「欠点も含めて」日和が言った。
ミラが窓の外を見た。「今日の発表、完璧じゃなかったけど、それでも良かった」
「その感覚が大切」空が微笑んだ。
日和が聞いた。「今、どんな気持ちですか?」
ミラが考えた。「少し、自信が戻ってきた気がする」
「それは、今日の成功体験のおかげ」空が説明した。
「また挑戦できそう」ミラが静かに言った。
日和が嬉しそうに言った。「次の挑戦も、また成功体験になります」
空が加えた。「自信は、挑戦と成功の繰り返しで育ちます」
ミラが立ち上がった。「ありがとう。二人のおかげで、自信を取り戻す方法が分かった」
「いつでも応援してます」日和が言った。
空が静かに言った。「自信が戻る瞬間は、自分で作り出せます。一歩ずつ」
ミラが微笑んで図書館を出た。小さな成功が、次の挑戦への勇気を生む。自信の回復は、そうやって始まる。